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偽文士日碌

七月二十四日(日):969-970

 永六輔、大橋巨泉、相次いで死去。これでひとつの時代が終ったと
いうコメントがあちこちに出て気に食わない。巨泉とおれとは同い歳
だ。もうすぐおれの時代が終わるというのか。しかしこの日記、死ん
だ人のことが多くなってきたのも事実。
 矢野優から佐々木敦との対談原稿が送られて来る。手を入れて返送
する。「新潮」の次号に掲載される。谷崎賞の候補作がどさっと送ら
れてきて、読み始める。都甲幸治からは飯田橋文学界で対談をやれと
言われ、俎上にあげる本を三冊選ぶだの何やかやのやりとり。東大本
郷キャンパス内は禁煙らしいので困ってしまう。場所は福武ホールで
十月四日午後六時からと決定。東海大学の「文学金魚」という雑誌か
らインタヴューの依頼。時間を取られそうなので、メールでの一問一
答にしてくれと頼んだところ次つぎと質問が送られてきて参ってしま
う。池田真依子からはコレクション六巻目のゲラがどさっと送られて
きた。読み始めるがなかなかはかどらない。それにしても、何十年ぶ
りかで読んだ「歌と饒舌の戦記」、傑作ではないか。なぜ無視された
のだろう。解説を書いた谷崎の「陰翳礼賛・文章読本」がどさっと届
く。巻頭言を書いた「ペルーの異端審問」がどさっと届く。もう本の
置き場所がない。光子は「頭を洗え」「風呂に入れ」「ヘアカットに
行け」とうるさい。そんな暇があるもんか。
 イチロー。三千本安打まであと四本! 稀勢の里は残念。
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