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偽文士日碌

八月二十六日(金):979-980

 一昨日は出版芸術社の日下三蔵と復刊ドットコムの澤田勝弘、それ
に徳間書店の大野修一までやってきていろいろと打合せ。深井国の連
載漫画はやはりオールカラーにしてほしいので、澤田君にモノクロと
二色刷りを含めた場合などを含めさまざまな場合の定価を試算してく
れるよう頼む。日下君とは「全戯曲」のトーク・イベントもしてくれ
と頼まれる。大野君からは対談の依頼。夜は光子の慰労で久しぶりに
「重よし」へ。佐藤オーナーは元気だが、おれと一緒で最近固有名詞
が出てこなくなったという話が盛りあがる。
 昨日は光子と、一日かかってマイナンバーカードの複写を何社もの
書類に貼付して郵送する。懸案の作業が一段落でほっとする。
 高畑淳子の謝罪会見を見る。こんな立派な女性とは思わなかった。
政治家にしたいくらいのものだ。マスコミを含めた日本のムラ社会の
いわゆる「世間様」がどういうものかを心得ていて、息子を絶対に弁
護せず、言ってはならないことは「法的に」とは口にせず、言い方を
変える。一時間以上を立ったままで答える。外国なら母が息子の弁護
をしなかったら「なんて母親だ」というバッシングを受ける。「これ
が現実かと思った」という彼女の言葉はそのまま「これが日本か」と
解釈していいだろう。日本では成人した子供の罪も謝罪しなければな
らないが、外国にはそもそもこの種の謝罪会見というものがない。外
国では個人と対峙するのは世間様ではなくて「神」なのである。
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