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偽文士日碌

十月十日(月):991-992

夫婦で入れ替り立ち替り風呂に二度ずつ入りながらも、おれは風太郎
賞の候補作を読み続ける。もうあまり日にちがないのだ。別室で全員
揃って夕食。おれはこの旅館特製の芋焼酎をボトルで注文したが、あ
とは皆ばらばらでワインやビールなど。料理は丹波の幸の盛合せ、鱧
と松茸の小鍋仕立て、海老芋饅頭、丹波和牛の鉄板焼、鰹のたたき、
赤魚の檸檬塩焼き、季節の釜飯など。岳洋君と悠平君は去年よりもよ
く喋ってくれた。ふたりは友人におれの愛読者がいるとやらで、しき
りにおれとのツーショットを撮りたがり、全員が互いに撮って撮影会
となる。部屋に戻って横になっていると、敬子さんが以前のように露
天風呂を借りに来て、また長時間湯に浸っていった。
 翌朝八時半の朝食。十時出発。二台が前後しながら亀岡インターか
ら京都縦貫道に入り、京丹波・味夢の里というところで降り、ここで
皆が盛大に買い物、姉妹も敬子さんも食料品を買う。篤君一家や喜美
子さんとはここで別れる。おれたち夫婦は裕君の車で舞鶴・若狭道に
入り、福知山へ行く。明智光秀由来の福知山城を横に見て福知山駅前
まで来ると裕君の歯科医院がある。三階建ての立派なビルである。医
院の中をいろいろ見せてもらっていると、やはりご近所で歯科医院を
している田中一也医師が遊びに来られ、おれを見て大喜び、またして
もツーショットで撮られる。
 高速に乗って神戸に向かう。ほとんど一直線であり、京都へ行くよ
り早い。三時頃我が家に帰着。裕君は少し休んだあと帰って行った。
世話になりっぱなしだ。感謝。感謝。 
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