トップへ戻る

偽文士日碌

十一月三日(木):997-998

 一時十五分、ビーバップの時と同じタクシーが迎えに来て、大工事
が続いているため昨日と同じ行程で朝日放送へ。 ドラマグランプリ
という番組で、ナマ放送だ。ジャーマネ柳井が来てくれていた。ビー
バップの時と同じ控室。隣室の升毅に会う。「検察側の証人」以来久
しぶりの再会だ。やあやあと握手。紫吹淳が挨拶に来た。
 スタジオもビーバップと同じだが、今日は百五十人もの観客を入れ
ている。よく入ったものだと感心する。出を待つ間に同志社後輩の生
瀬勝久と話す。羽田圭介が初対面の挨拶にやってくる。客の中を通っ
て審査委員長席へ。総合司会の西田敏行が、客の頭越しに「お久しぶ
りです」と語りかけてくる。「大昔、新宿のホワイトという店でタモ
リや山下洋輔と一緒に騒ぎましたね」と言うと彼は覚えていて「あの
時は酔っぱらって」などと頭を掻いて皆を笑わせる。番組が始まり、
スクリーンに三十分ほどのドラマが映し出され、最初のドラマが終わ
るとまずおれの評価を求められる。ドタバタだったので、つい厳しい
評価になってしまう。CMを挟みながらさらにあと二本、ドラマを見
せられる。審査委員の紫吹さんはいい評価。羽田君の批評はその難解
さが指摘されて笑いを呼ぶ。いよいよ賞の発表。全員登壇し、視聴者
の評も加えておれも評価した「座敷おやじ」にグランプリが与えられ
た。升毅が巧いのだからしかたがない。おれが脚本家の中神謙一に優
勝盾と賞金三百万円(と書かれたパネル)を渡して番組終了五時。
ページ番号: 997 998

「次のページへ」や、「前のページへ」をクリックすると、ページがめくれます。