日本文学全集に入る「魚籃観音記」の校正を河出書房新社に発送す
る。それにしてもなんでこんな変なものを池澤夏樹は選んだのかと思
っていたのだが、読み返してみて吃驚。大傑作ではないか。今だとと
てもこんなものは書けない。
二時、須田美音が「BRUTUS」の連中をぞろぞろと引き連れて
来宅。担当の鳥澤光、キャップの町田雄二、フリーライターの倉本さ
おり、カメラマン、なんだかよくわからぬ人、計六名である。「危険
な作家」というテーマで、いちばん危険な作家であるおれへのインタ
ヴューなのである。美音ちゃんは鳥澤さんや倉本さんと共に先日の東
大でのイベントに来てくれた関係で今日のセッティングに一枚かんで
くれただけで、特に用があるわけではなかったのだが、おれがお願い
して今日も立ち会ってくれることになった。臨席してもらって大いに
助かった。何か答えようとしたり、何か言おうとした時など、正面に
いる彼女が笑ってくれていると、今までと同じことは言っていないと
わかって安心したり、気分が楽になったりするのである。インタヴュ
ーは倉本さんがよく読み込んできてくれたおかげでなんとか無事に終
ったが、いつもなら一時間で充分なのに今日は二時間もかかってしま
った。このインタヴューは十二月十五日発売の「BRUTUS」838
号に掲載される。
咳や痰はだいぶましになったものの、薬のせいでふらふらだ。
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