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偽文士日碌

一月五日(木):1009-1010

 毎日芸術賞というものを受賞して、一月一日までの紙面発表までは
内密にとのお達しがあったため、ここに書くこともできず、十二月十
二日には毎日新聞の内藤麻里子がインタヴューに来宅したのだがその
ことも書けなかった。これは四日の夕刊に出たらしい。ネットで読む
と内藤さんが上手にリライトしてくれている。一日の紙面では選考委
員の松浦寿輝が紹介文で褒めてくれている。この件がらみでは松浦氏
と対談してくれという依頼が「新潮」矢野優からあって、実はそれ以
前に「波」の楠瀬啓之から松浦氏の「名誉と恍惚」の書評を依頼され
ていたので、対談はそれを書き上げてからにしてくれと言ってある。
楽しみなのはこの対談であり、「名誉と恍惚」は「新潮」連載時から
愛読していたので、書きたいことはいっぱいあり、松浦氏と話したい
こともいっぱいある。去年、松浦氏のラジオ番組に出演したあと、松
浦氏にビヤホール行きを誘われ、こちらの事情でお断りしたことがあ
ったため、一度ゆっくりとお話ししたいと願っていたのだ。
 さて三ヶ日は夫婦だけの静謐な正月であったが、妻の実家の慣習な
のかおせちが山ほど用意されていて、これを消化するのが大変だった。
イタリアンの二重のおせちと伊勢丹の和洋中三重のおせち。それに鯛
の浜焼きなどでいささか食い過ぎた嫌いがある。仕事はひたすら「全
戯曲」の校正。その他。その他。
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