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偽文士日碌

六月二十二日(木):1051-1052

 短篇「漸然山脈」が完成したので、「ラ・シュビドゥンドゥン」の
歌詞や楽譜と一緒に「文學界」の丹羽健介に一昨日送っておいたら、
今日たいへんな賛辞のメールが来た。「言語芸術の可能性の限界まで
行った」と書いているが、まあそれほどのことはない。作者がおれで
なく、他の編集者であったら「何じゃこれは」と言って没にするよう
な作品であることは間違いない。しかし、ほっとしたことは事実。こ
れは八月七日発売の「文學界」九月号に掲載される。「これはきっと
大変な話題になります」と丹羽君は言っているが、善かれ悪しかれ話
題になることは確かであろう。まあ、誰がどう言うかだいたいわかっ
ているが、そんなことは百も承知で書いたのだ。あはははははは。
 実はここまでは昨日書いたのだが、今朝になってまた丹羽君からメ
ールがあり、武藤編集長が読んで驚嘆し、この歌がどんな歌か知りた
いので山下氏のピアノでおれが歌い、その録音をYouTubeで発
表すればどうかという提案があったという。山下氏に相談しなければ
なるまいが、実はこの件に関して山下氏は今まで無報酬、どんなお礼
をしようかと光子と相談していて、一夜レストランにお招きし、食事
を共にするというのが大袈裟にならず、いいのではという提案があっ
た。それならば録音した日の帰途にでも、武藤、丹羽両氏もお招きし
て食事に行こうなどと考え、現在丹羽君に話を持ちかけている。
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