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偽文士日碌

八月八日(火):1057-1058

 あれから山下洋輔が電話リハというものをしてくれたのだが、なん
とおれの書いた楽譜が間違っていることが判明。今となっては直す時
間がなく、本にする時に直すしかないが、いったい何年先になるのや
ら。もしかして永遠に直せなかったりして。あはは。
 ずっと谷崎賞の候補作を読み続けていて、今回は長大な作品がふた
つもあり、最近疲れやすくなったせいか遅遅として読み進めない。早
いめに送ってくれたのが幸い。多寡をくくっていたらえらいことにな
っていた筈である。
「幻想の未来」のゲラも直して返送した。こんなに間違いがあるとは
なあ。「コレクション7」のゲラも直す。まだ後続のゲラがあるらし
いからこれも長大な本になるぞ。
 今日は四時にタクシーで「文學界」の丹羽健介がお迎え。六本木の
スタジオへ。ここはいつも山下洋輔が練習に使っているところで、グ
ランドピアノがある。すでに山下氏や武藤旬編集長や、村松Gはじめ
顔なじみのジャムライスの面面、それに文藝春秋の動画撮影班が来て
くれている。稽古らしきもの一回と本番らしきもの三回で終ってしま
った。「ばっちりです」「よくスゥイングしていた」とのプロたちの
言葉にほっとする。思い返せば山下氏のピアノで歌ったのは初めてだ
ったのだ。これはタイトルだの何だのを入れて編集したのち、二十日
ごろYouTubeに投稿される。
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