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偽文士日碌

十一月十四日(火):1081-1082

 日馬富士の暴行事件。いい男、いい横綱だと思っていたのに、残念
だ。白鵬、照ノ冨士、鶴龍まで巻き込まれたらしい。修羅場ではない
か。どうなっておるのだ。
 おれが痩せているのは癌のせいだとつぶやいているやつがいる。毎
年検査は受けているが、今のところ癌の兆候はない。
 午後二時半、塩田武士が郡司珠子ほか角川書店の連中に伴われて来
宅。塩田君は「罪の声」でおれが山田風太郎賞に推挙した作家で、そ
の次に書いた「騙し絵の牙」を読んだところ前作以上の傑作だったの
でおれが大いに褒め、今日の対談となったのだ。角川からは塩田君の
担当の今井里沙、「ダ・ヴィンチ」の村井有紀子、ライターの吉田大
助、加えてカメラマンという大人数である。女性たちが台所を手伝っ
てくれたので光子が大助かりである。塩田君はなぜかずいぶん緊張し
ていて、おれの方を見ないで吉田君の方ばかり向いて喋るのでやりに
くかったが、話の内容は面白かった。塩田君はおれの過去の作品をよ
く読んでくれていたが、おれの「大いなる助走」が出たのが生まれる
前であったというので感慨深い。「騙し絵の牙」は「大いなる助走」
以後の出版業界の話なのだ。この対談は次号の「ダ・ヴィンチ」に掲
載される。
 カズレーザーが「虚人たち」に続いて今度は「残像に口紅を」の紹
介をしてくれるらしい。十六日深夜「アメトーーク」でテレビ朝日。
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