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偽文士日碌

二月六日(火):1095-1096

 今野敏「怪物が街にやってくる」の解説を書いて徳間書店に発送す
る。河出書房新社の吉田久恭には、送られてきた「誰にもわかるハイ
デガー」の大澤真幸の解説がすばらしいものであったことを褒め、最
終的なゲラの校正をメールで送稿する。バカ売れの予感がすると書い
たら吉田君大喜び。
 岩波書店から送られてきたウンベルト・エーコの遺作「女王ロアー
ナ、神秘の炎」を読み続けている。上下巻であり、横書きだから滅法
読みにくいが我慢して読み続ける。「図書」誌に書評を、と言うのだ
が、この作品世界の中へうまく入って行けるものかどうか。
 新潮文庫から「夢の検閲官・魚籃観音記」が出る。その解説を先日
ビーバップで対面した出口汪はどうかと岑裕貴が言ってきたのでOK
する。
 午後二時に小学館社長室顧問の佐藤正治とエディターの川口弘江が
来宅。江戸川乱歩について何やかやと訊かれる。全集が出る度に書か
されているので、今更のように喋るのは実にしんどい。これは電子書
籍の「江戸川乱歩電子全集・第二十巻・随筆・評論・第五集」の特典
企画インタヴューである。土産のどら焼きを大量に戴く。
 有賀さつき急逝。負けず嫌いで強情で、とても好きなキャラだった
のだが残念。
 平昌オリンピック、不穏である。何か起こりそうだ。
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