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偽文士日碌

八月九日(木):1129-1130

 九月二十四日に予定されていた「大生誕祭」というイベントはいろ
いろな事情から中止となった。こうなる予感はあったものの、甚だ残
念である。
 このところスポーツ界でハラスメントなどさまざまな問題が噴出し
ている。昔からあったことが現在になって公になってきたのだと思う
が、マスコミの報道が渦中の人物のキャラの面白さを追究するあまり
他の重要なことが等閑になっているのではないかと思えてならない。
まあ、面白ければそれでよいというのはおれの主張のひとつでもある
のだが。
 台風が東京をやや外れて通り過ぎて行った。帰神がお盆の帰郷ラッ
シュと重なるので十日の切符を買っておいたのだが、まあ正解であっ
たと言えるだろう。ちょうど東京が涼しい時に東京に滞在できてよか
ったが、明日からは東京ももと通り炎暑になるようだ。新潮社の楠瀬
啓之によれば、蓮實重彦がこの暑さに辟易して「この愚かしいまでの
暑さ」と言ったらしい。凄いフレーズだと思うので、どこかで使わせ
て戴こうと思っている。
 翁長知事が義弟の新さんと同じ膵臓がんのため六十七歳の若さで死
んだ。ストロンチウムによる暗殺という噂も出ているが、まさかね。
 津川雅彦もおれより若くて死んだ。共演したこともある。おれの演
技を褒めてくれたし、いろいろと手紙もくれた。いい男だった。
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