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偽文士日碌

八月二十七日(月):1133-1134

 今年の高校野球で滋賀県大会に出場した彦根総合高校の監督が筒井
康隆という名前だった。同姓同名は初めてだが、あっちはわしのこと
をどう思っているか知りたいものだ。
 キャラメルボックスで制作された「時をかける少女」舞台版が、衛
星劇場で十月七日の日曜日、午後四時から放送される。
 今日は谷崎賞の選考日である。中央公論から四時二十分にお迎えが
来たのだが、その途端に大粒の雨。中央公論ビルの会議室へ。選考委
員諸氏とは一年ぶり。選考は今回もまた紛糾して面白かったが、ここ
に書けないのはまことに残念である。結果、今回もおれの推した星野
智幸「焔」が受賞。星野氏、電話を受け、喜んでいたらしい。
 最上階のレストランにあがり、選考会と同じ配置でディナー。皆さ
んは温和しくシャンパンやワインだが、おれの注文を心得ている女性
がちゃんとワイルド・ターキーのハイボールを作ってくれる。料理は
鮑と帆立のシャルロットにバルサミコソース、オマール海老のナージ
ュ、甘鯛のエカイユはサフランと野菜のバターソース、黒毛和牛フィ
レ肉のローストにモリーユ茸のソース、桃のコンポートとバナナのグ
ラス。最後のコーヒーだけを残して完食。途中から三方ガラス窓の室
内に稲光と共に雷鳴が轟いてでただごとならぬ状態となり、ずいぶん
長く続いたが、帰る頃にはおさまった。帰宅すると案の定光子が怖が
っていた。ニュースであちこちの状況を見て十二時に就寝。
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