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偽文士日碌

九月五日(水):1135-1136

 台風のニュースをはらはらしながら見る。東京にいたので怖い目に
は遭わなかったが、神戸の自宅の様子が心配である。先週の台風では
網代塀の上の瓦が全部落ちて割れたのだ。それにしてもなんと多くの
車が無惨な状態になったことか。千台や二千台ではおさまらぬ気がす
る。車の会社や工場、さらには建築関係各社が超多忙になるぞ。
 昨日は河出書房新社の伊藤靖が「文藝別冊」の件で、世田文の中垣
理子が筒井康隆展の件で、午後二時に一緒にやってくる。展覧会でも
販売する「文藝別冊」はいろんな人に原稿を頼んだらしいが、ほとん
どの人が書いてくれたそうだ。世田文は「筒井光子の部屋」という変
なものを作るらしい。「光子さんは人気があるから」と言うのだが、
なんで皆が光子のことを知っているのだ。よくわからん。
 今日は角川書店の郡司珠子が来宅。「涼宮ハルヒの憂鬱」の解説の
件や、「アフリカの爆弾」と「日本列島七曲り」のゲラの疑問点を相
談。この頃の短篇集は差別的とされるようなことばが噴出するがブラ
ックユーモアとはそういうものなので、そのままにする。あと、山田
風太郎賞の選考委員を終身でやってほしいという依頼もあった。編集
者たちもそう望んでいるし、他の選考委員たちもおれを頼りにしてい
るからと言うのだが、本当だろうか。谷崎賞では候補作の細部を忘れ
ていることが多くなってきているから、その辺を見逃してくれるなら
と、言っておく。郡司さんのお土産は芋焼酎だった。
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