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偽文士日碌

九月十八日(火):1137-1138

 御嶽海が鶴竜に負けちまってこれで四敗。大関取りにあとがなくな
った。高安に勝つかどうかが鍵になるな。でも、勢なんかに負けてる
んだもんなあ。どうしたんだ。
 午後二時に世田文の瀬川ゆきがカメラマンを伴ってやってきて、ま
ずはセッティングなどの打合せ。出来たばかりの「筒井康隆展」のポ
スター、ちらし、招待状などをどっさりと戴く。三時には菅野昭正館
長と世田文の学芸主査・小池知子が来宅。今日は「世田谷文学館ニュ
ース」のためのおれと館長の対談である。東大フランス文学そして映
画好きという人物でおれの知っている人は蓮實重彦、松浦寿輝、そし
てこの菅野昭正の三人である。菅野さんが現在連載中のフランス文学
を原作にした映画の評論をおれが褒め、ジャン・ギャバンの「獣人」
を話題にすると、なんと菅野氏は原作者エミール・ゾラがお嫌いらし
いのだ。おやおやと思い、「ナナ」に影響されて「朝のガスパール」
を書いたことを言うと「ああ。ナナはよくできた話です」という反応
だったので安心する。菅野さん、おれの本は最近作「モナドの領域」
に到るまでよく読んでいるらしいので恐縮する。過不足なしに一時間
たっぷりのいい対談ができたのは菅野氏によるものだ。
 ご一同がお帰りになったあと、またしても豪雨の襲来。天気がいい
時に帰られたことでこちらもほっとする。それにしてもこの降り方は
何ごとか。あきらかに異常である。
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