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偽文士日碌

十月七日(日):1145-1146

せにわざと変な日本語で喋る白人神父や、お決まりの賛美歌三百十二
番を歌い、例のエリック・サティの、とんでもなく下品なタイトルで
あることをあまり誰も知らない曲の演奏に合せて記念写真を撮る。J
AXAで賀宣君と一緒の部署にいるという女性が「筒井康隆さんです
か」と訊ねてきた。なんと賀宣君は友人たちにおれが伯父であること
を話していないらしいのである。「自慢しない人なので」とご友人は
言っていたが、そんなこと話したって自慢にはならず恥になるだけだ
ろうが。他にもご友人は賀宣君の方が甲陽学院、東京大学、JAXA
の人たち、新婦の方が茨城大学のアメリカ文学、JAXA広報部のご
友人たち。なんと上司はひとりも呼ばなかったと言う。
 披露宴の前のホワイエで貰ったジンライムをそのまま宴に持ち込ん
で飲む。料理はなかなかのものであった。オマール海老、帆立貝、烏
賊、若布のゼリー寄せなど海の幸のメドレー。フォアグラのソテー。
真鯛のパンシアード。ブラッドオレンジのソルベ。牛フィレ肉の網焼
き。バニラのムース、洋梨のジュレ、栗のアイスなどをコーヒーで。
ご友人のスピーチはなく、東大の同窓生が代表で話しただけ。あとは
定番の成長物語の上映、アトラクションなどがある。祝宴は三時頃に
終り、タクシーで帰宅。いつものことだが結婚式のあとというものは
腹がいっぱいで夕食が食べられない。
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