ホリプロ柳井の迎えでシネマヴェーラ渋谷へ。ビルの四階が映画館
で、五階の楽屋へ行くとすでに瀬川昌久が来ていて、隣には映画評論
家の高崎俊夫、何故か弟の筒井之隆と妻の央子、之隆は瀬川さんと仕
事の関係でおつきあいがあるらしい。あと、内藤誠と、鹿児島からの
MINさんをつれた山下洋輔もやってきた。支配人の内藤由美子とは
初対面。
「突貫勘太」の上映が終って午後六時、トークショーが始まる。司会
の高崎さんがいきなりエノケンで振ってきて、以後はエノケンがらみ
が多くなる。おれがエノケンになりたかったように、エノケンもまた
エディ・カンターになりたかったのではないか、昭和八年、九年ごろ
のエノケン映画に頻出するエディ・カンターのナンバーの話、突貫勘
太では端役のギャングを演じていたジョージ・ラフトの話。喋り忘れ
たのは高清子がジョージ・ラフトを大好きで、エノケン一座で渡米し
た時、見つけてほしかったのだがとうとう見つけてもらえなかったと
いう話。映画によって音楽まで異なった曲になってしまうという例に
「シャイニング」のエンディング・テーマを出すと、瀬川さんに「そ
んな新しい映画も見ているなんて凄い」と言われたが、あれとて三十
八年前の映画なのだから、それを新しいと言う瀬川氏こそ凄いのだ。
四十分か五十分ほどでトークが終る。楽屋に戻ると瀬川さんが昭和
モダン流行歌を四十四曲収録のCDをくれた。有難し!
ページ番号:
1155
1156
「次のページへ」や、「前のページへ」をクリックすると、ページがめくれます。