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偽文士日碌

三月二十七日(水):1191-1192

 長篇の新たなアイディアが送られてきた。今回、凄いものがいくつ
かあった。
「三十年ほど先の近未来を舞台とする」一種の政治小説が、主に安楽
死の問題をテーマにしていたが、完璧に近いシノプシスであり、おれ
の出番がない。ご自分で書いてほしい。
 テーマが「二〇二五年の大阪万博を当時のメンバーだけで作ったら
どうなるか」というドタバタは、当時のメンバーのことを調べねばな
らず、調査をしないで書くおれの作風には合わないのが残念。
 あと、ショート・ショートとしてすばらしい、認知症テーマのもの
があった。
 また、登場人物が出番を待っているのだが、読者が同じ箇所を何度
も読み返したり、読むスピードが遅いのでいらいらしたりする。最後
は出番の部分を読み飛ばされて怒り狂うという面白い短篇のアイディ
アがあった。こういうのがあと二十あれば、長篇連作にならなくもな
い。
 あとは似たり寄ったりで、沢山あるのでまだ全部読んではいないの
だが、頭ががんがんしてきたので読むのを中断。でもいずれは読まね
ばならんのか。「おれは書く気がないから、お前書け」と言って餌を
投げられているような気に襲われてきて、こんなことを始めた自分を
呪う。
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