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偽文士日碌

五月十五日(水):1203-1204

 昨日来た諸兄姉は、テレビマンユニオンのプロデューサー・高橋才
也、ディレクターの谷本庄平、制作プロデューサー・中村美奈子だっ
た。書いてもいいとお許しが出たので書かせていただくと、これはN
HK・Eテレの、毎週水曜日、午後十時五十分から十一時二十分まで
やっている「人間ってナンだ? 超AI入門」の十二回目、「働く」
という回の収録の話である。おれの出る日は六月十九日で、収録は東
大の研究室で行われ、出演は松尾豊東大大学院教授と、哲学ナビゲー
ターで小説家の原田まりる。
 二時に新潮社の諸兄、即ち出版部の楠瀬啓之、新潮新書の後藤編集
長、阿部副編集長。文庫の岑裕貴が来宅。主に「老人の美学」につい
ての打合せ。体裁や定価やその他について。発行は岩波新書の「短篇
小説講義」が初版扱いで九月に出るので、それを避けて十月の発行に
してもらう。「老人の美学」に出てくるわが過去の作品「敵」「銀齢
の果て」「愛のひだりがわ」などの文庫もそれにあわせて。小さな活
字を大きくしたりなどして再版となる。まことにありがたいことであ
る。
 わが青春のアイドル京マチ子が死去。「羅生門」も「雨月物語」も
「地獄門」も彼女の真髄に非ず。傑作は「穴」「牝犬」「浅草の肌」
「痴人の愛」その他である。
ページ番号: 1203 1204

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