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偽文士日碌

八月二十日(火):1223-1224

 前の日碌でちょいと書かれたツイッターの奴が怯えてきゃんきゃん
悲鳴をあげておる。面白いからもっとやってやろう。
 昨夜は谷崎賞の選考会があり、法輪君の迎えで読売本社ビル、十三
階の会議室へ。いつも通りの配置で選考が始まって司会も法輪君。ア
イスコーヒーに口をつけようとした途端、いきなり指名されてうろた
え、皆に笑われる。いつもより早く進み、想像していた通りの成行き
で、予測通りほぼ満票で村田喜代子「飛族」に決定。
 例によって三十二階の銀座スエヒロへ。何も言わずともバーボン・
ソーダが出てくるのは有難い。川上弘美が、なぜ「ニューシネマ『バ
ブルの塔』」で、詐欺師の才能がある作家を列記した中から堀江敏幸
を省いたのかというので、どう見ても堀江君は詐欺師ではないから、
大江健三郎と共に省いたと説明する。食事の終り頃、池澤夏樹がおれ
の健啖振りを褒めたので、彼が鴨の肉を食わなかったことを指摘し、
また皆から笑われる。意地汚いと思われたようだ。いつもより一時間
ほど早く終り、九時前後に帰宅。
 今日は三時に岩波書店の新書編集長・永沼浩一が出来した「短篇小
説講義」増補版を持ってきてくれた。発売は明後日である。活字が大
きくなって読みやすくなり、「繁栄の昭和」を論じただけページ数も
増えた。これを読んでいないかもしれない若い友人三人に送ってくれ
るよう永沼君に依頼する。
ページ番号: 1223 1224

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