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偽文士日碌

十月十八日(金):1233-1234

「老人の美学」三百冊に署名落款、発送。
 ロジャー・パルバースから、著書に解説を書いてくれと頼まれる。
アンドリュー・ドライバーが死んで、わが英語翻訳者がいなくなった
から、彼に頼もうと思いつき、そのためというわけではないが、解説
を引き受ける。
 今日は「野性時代」副編集長の三宅信哉が迎えに来て、改装して初
めての東京会館へ。山田風太郎賞の選考会である。もう十回目になる
のだ。選考が始まり、小野不由美の「営繕かるかや怪異譚 その弐」を
推したおれと、月村了衛の「騙す衆生」を推す林真理子がまたしても
激突。なんでこんなにいつも激突するのか。京極夏彦も「営繕~」を
推したのだが、奥泉光と夢枕獏が「騙す~」を推したので、月村了衛
の受賞が決定。そういえばずいぶんながいこと受賞の記者会見にも受
賞式の選評にも出ていないなあ。まあ、特に出たくもないが。
 角川歴彦会長と挨拶。隣室に移動。昨年に続いて獏ちゃんが記者会
見に立つ。受賞者の月村了衛が到着。受賞作は詐欺の話だが、本人は
真面目な人である。例によって美しいコンパニオンのお嬢さんたちが
次つぎに料理を持ってきてくれる。ハイボールを注文したのだが、い
つの間にか知らぬうちにグラスが満杯になっていて、知らぬうちに何
杯も飲んだらしい。お開きの際にはだいぶ酔っていたようだ。帰途も
三宅君に送られ、帰宅八時。
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