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偽文士日碌

十一月三十日(土):1241-1242

 昨夜は岸川亜紀が四時半に迎えに来て、ハイヤーで東京会館へ。山
田風太郎賞、横溝正史ミステリ&ホラー大賞などの授賞式とパーティ
である。車の中で岸川さんから本日の受賞者や選考委員などについて
のレクチュアを受ける。エンタメ文壇についての知識が次第にあやふ
やになってきているからである。
 控室へ入って林真理子や受賞者の月村了衛たちと話すうち、綾辻行
人がやってきて、今回からパーティ会場では喫煙ができなくなったと
聞き、大いに憤る。しかも喫煙室は会場の正反対の側にあり、えんえ
んと歩かされるらしいので、今のうちにと一緒に喫煙室へ向かう。な
るほど遠い。しかも椅子がないのである。選考委員にはヘビースモー
カーが多いので、もしかしたら全員こっちへ移動してくるかもしれな
いとか、パーティ会場で全員が喫煙しはじめたらどんな騒ぎになるか
という冗談が出る。
 授賞式が終り、パーティ会場では角川歴彦と一緒にさっそく握り寿
司を食べる。握り寿司というのは評判がよく、たいていパーティ会場
ではすぐになくなるのだが、さすがは角川、退出するときにちらと観
察した限りではまだたくさんあった。しかも出席者はいつもよりずっ
と多かった。席には次つぎと人が来て、皆がちやほやしてくれる。こ
んなに大事にされるのなら歳をとるのも悪くないなどと思う。帰途は
同じ車で、今度は郡司珠子が送ってくれた。
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