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偽文士日碌

八月十九日(水):1289-1290

 コロナ対熱中症、藤井聡太七段のせいで明日に持越し。
 一昨日上京したのだが、新幹線グリーン車の、おれたち夫婦の乗っ
た車輌は乗客五人前後。
 昨日は猛烈な暑さだった。十二時半、熱中症覚悟で紀ノ国屋へ。冷
房のきいた店のドアの前の植え込みの手摺で三度ばかり休憩しながら
の到着。さほどの汗はかかずにすんだ。帰りはさすがに歩くのを諦め
てタクシーに乗る。
 密を避けるために今日は二時二十分、運転手だけのお迎え。谷崎賞
選考会の会場に到着すると、いつもとは様子が違って、離れたテーブ
ルの間、間にプラスチックの隔壁。机上にはパソコンがあり、六画面
に分割されている。川上弘美と堀江敏幸がリモート出演なのである。
会場での参加は池澤夏樹と桐野夏生とおれで、他の諸氏はみな慣れた
様子だったが、おれは初めての体験なので面白かった。法輪光生が司
会で彼を加えて六画面ということになる。音声を調節したり何やかや
があり、磯崎憲一郎の「日本蒙昧前史」と他の一篇に評が集まったの
で、珍しく三つ巴くらいの論戦となる。結果はめでたく磯崎氏が受賞
したが磯崎さんは大学の試験官であり、試験中とかでなかなか電話に
出られず、連絡がつかなかったが、ようやくお受け頂く。
 今回、密を避けていつもの会食はなし。歓談も料理も毎年の楽しみ
だったのだが残念。帰宅もずいぶん早く、五時過ぎ。
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