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偽文士日碌

十月三十一日(土):1299-1300

 三十日は十二時前、タクシーが迎えに来て、光子と共に新神戸駅へ
向かう。いつもとは逆方向の新幹線に乗って岡山へ。ここで特急しお
かぜ十三号に乗り換えて窓外の海や山を眺めながら松山へ向かう。こ
の日碌の過去のページを「道後温泉」で検索すると、二〇一三年の五
月十一日に、新さん夫妻と共に来ていて、そのときは新さんのベンツ
だった。亡くなった新さんにはベンツでずいぶんいろいろなところへ
連れて行ってもらったものだ。
 松山駅には愛媛県美術館の学芸員・五味俊晶と、いろんな手配をし
てくれたセーラー広告の稲田真奈美が出迎えてくれた。五味君同乗の
タクシーで道後温泉へ。わあ懐かしい道後温泉本館。以前もそうだっ
たのだがまだえんえんと工事中で、温泉にだけは入れるらしい。その
近くの「別邸朧月夜」というのがわれわれ夫婦の泊る料理旅館である。
五味君も加えて旅館の女性と打合せ。GO TOキャンペーンでだい
ぶ安くなるようだ。この旅館代だけはわれわれの希望でこちらの出費
となる。部屋に通されてさっそく部屋についている露天温泉に浸り、
マッサージ機にかかる。凝っていて、飛びあがるほど痛い。
 六時、旅館内の料亭に行き、大勢の仲居さんに出迎えられて個室に
落ちつく。酒はおれが地元の芋焼酎や栗焼酎、光子は愛媛の純米大吟
醸「寿喜心」というエッチな名前の清酒が気に入ったようで、三合瓶
二本を持ち帰りとして注文した。食前酒の梅酒と賑やかな前菜の盛合
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