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偽文士日碌

十月三十一日(土):1303-1304

けであると言われて引き受けたことなどで笑いをとり、又聞きになる
ことを詫びた上で知る限りの彼のことを話す。最後、挨拶をしたあと
メモ用紙を見るためにかけ替えていた読書用の眼鏡をそのままにして
演壇を降りようとし、足下を狂わせて引っ繰り返りそうになった。あ
わてて立ち直ったものの、醜態であった。その立ち直り方がみごとで
あったと、そのあと楽屋に来てくれたファンのMINさんから慰めら
れてひと安心する。
 楽屋には講演内容で触れた新聞連載「朝のガスパール」で担当して
くれた大上朝美や、ネットの会議室「笑犬楼大飯店」の連中などがや
ってきた。みんな遠くから来てくれていて、中には北海道から来てく
れたFAT’Nなんていう太っちょもいる。この子に抱きつくと気持
がいいので、コロナ・ルールを破って抱きつく。
 世話になった諸君と別れ、タクシーで帰途につく。同乗しての見送
りはMINとFAT’N。今度はしおかぜ二十六号だが、途中、踏切
の緊急停止ボタンが押されたり、徐行運転したりして列車が遅れ、は
らはらし、そのせいであわてたため岡山駅ではプラットホームを間違
えて乗り遅れ、次の列車に乗ったが、よく肥った車掌はそのまま同じ
座席に座らせてくれた。太っちょに親切にされる日であった。
 新神戸駅には予定よりもだいぶ遅れて着いたが、タクシーの安居君
は待ってくれていた。帰宅九時。弁当を買い損なったため、ありあわ
せのもので酒を飲んで就寝。
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