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偽文士日碌

二月十八日(木):1321-1322

 一時過ぎに夫婦でミヅマアートギャラリーへ。すでに徳間書店の池
田麻依子が来ていた。二時からは中瀬ゆかり出版部重役はじめ新潮社
の諸兄、黒田貴装丁部長には「ジャックポット」の素晴らしい装丁の
お礼を申し上げる。「波」の楠瀬啓之には、書いたものを「波」に渡
していいか「新潮」に渡すか判断ができなくなったので一任すると伝
える。岑裕貴に逢うのも久し振りである。文藝春秋の田中光子と「文
學界」丹羽健介も来た。「本質」次号掲載のお礼をし上げる。大上朝
美が来たので抱き合う。山下洋輔も来たので抱き合う。いずれも濃密
接触である。ファンクラブである大飯店の連中も連日のように来て
れた。それ以外では文藝春秋重役で、伸輔の絵も買ってくれた吉安章、
新潮社のわが文庫担当者佐々木勉、伸輔の友人で作家でもある画家の
会田誠、大駱駝艦の村松卓矢、その他伸輔の友人たち。このうちの何
人もが二度三度と足を運んでくれた。展示期間中、智子は毎日のよう
に来てくれたらしい。立ちっぱなしだから大変だったろうと思い、感
謝に堪えない。大上朝美が担当した「聖痕」連載時の絵が二十枚近く
も売れていた。新たにパンフレットに英文と共に伸輔のことを書いて
くれた三瀦末雄にはただ感謝、感謝である。伸輔の画集、amazonでは
プレミア価格で売っている店や、品切れの店もあるらしい。ついでに
「ジャックポット」もよく売れている。死んだ息子のことを小説に書
いて評判になり、本がよく売れて金を稼ぐ。わしは悪い父親である。
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