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偽文士日碌

三月十八日(木):1327-1328

 演出家の川和孝とその妻でプロデューサーだった川和二枝子が相次
いで亡くなった。わが作品を数多く上演してくれたご夫婦である。お
二人とも新型コロナ・ウイルスだったとやら。孝さんが亡くなった十
日後に二枝子さんが亡くなっている。仲のいいご夫婦だった。ただた
だご冥福を祈るのみである。
 最初は「スタア」上演を京都へ見に行き、その時初めて孝さんにお
目にかかったのだった。「十二人の浮かれる男」が最も上演回数が多
かったのではないだろうか。ほとんど全国巡業に近かったと思う。小
生が出演したのは原宿のラフォーレ・ミュージアムでの「ジーザス・
クライスト・トリックスター」が最初で、これは筒井康隆大一座の旗
揚げ公演でもあった。これは翌年「ジス・イズ・ジャパン」をプログ
ラムに加えて再演し、名古屋と神戸を巡演した。この一座としては他
に「スイート・ホームズ探偵」「人間狩り」、そして「スタア」を上
演し、おれは犬神博士を演じている。「スタア」の時の主演女優だっ
た峰さを理も最近亡くなり、次つぎにわが青春の記憶が失われて行く
感がある。
 流泉書房からダンボールいっぱいの「ジャックポット」が持ち込ま
れてきた。署名落款の依頼であるが、この本、表紙裏に赤い紙を使っ
ていて印が見えない。苦労して見開き裏に書く。
 御嶽海また負けた。どうなっておるのだ。
ページ番号: 1327 1328

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