トップへ戻る

偽文士日碌

五月三日(月):1335-1336

「夜は更けゆく」が「文學界」七月号での掲載と決定。この作品に限
ってだが、少し遅い発表がいいのかもしれない。 
 夫婦で上京。五連休の初日に帰省する人が多かったらしいので、中
日であればまだ帰京する人も少ないだろうと思って今日にしたのだが
正解だったらしく、グリーン車は比較的空いていた。
 上京したものの、いつものニューオータニで食事ができないから困
ってしまう。酒が呑めないからだ。昔、このホテルのおれのスゥイー
トルームで、日本癲癇協会の松友了常務理事と、雑誌「創」の篠田博
之編集長とで和解の打合せをしたことを懐かしく思い出した。松友氏
は自身癲癇ではないものの、息子さんに障害があったらしい。篠田氏
は和解の仲介をしてくれた人。松友さんが時どき立って冷蔵庫の上の
ウィスキーのミニボトルを持ってくるのが面白かった。ご両人とも、
まだご健在のようである。あれからもう三十年以上になるのだなあ。
 表参道の人出はいつもより多少少ない程度。
 原宿の家に戻り、おれはウィスキーを呑み始めたが光子は相変わら
ずの郵便物の山と遅くまで格闘していた。ゲンロン、文藝春秋、ニュ
ースピックス、ソニーミュージック、新潮社などから入金。ラゴスが
よく売れている。「ジャックポット」は三刷。
 テレビで見ると、インドがえらいことになっている。「地獄」とい
う表現はコロナに関して初めてではないか。
ページ番号: 1335 1336

「次のページへ」や、「前のページへ」をクリックすると、ページがめくれます。