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偽文士日碌

五月二十一日(金):1341-1342

 前にも言ったことだが、表現の自由と人権とでは言うまでもなく人
権の方が大事である。木村花をSNSでその死後まで誹謗中傷し続け
た下司が氏名を特定されて百二十九万円の賠償命令を受けた。彼女は
恋愛リアリティショーの出演者だったが、タイトル通り彼女はプロと
してキャラを演じていたのであり、これを本人のキャラと同一視した
輩から非難された。加害者が卑怯なのは、匿名をいいことに若い娘を
執念深く痛めつけ、自殺にまで追い込んだことであろう。こういう下
司は死刑にすべきだがさいわいにも小額の賠償で済んだ。しかしこの
下司、金を払えるかどうかが疑問だが、二人目が特定されたそうだか
ら加害者がぞろぞろ百人も出てくればそれなりの賠償額にはなるだろ
う。こういう時に限って表現の自由がどうのこうのなどと言い出す輩
もいるだろうが、まあこの事件でネット社会がもう少し大人に成長す
るかもしれない。この件、成り行き次第でまた何か書くことになるだ
ろう。
「活劇映画と家族」はやっと初校の整理がついた。現代新書の岡部ひ
とみに発送。入れ違いに講談社の校閲からいっぱい疑問を呈した校正
刷りが届くというから、これからがまた大変だ。
 御嶽海がやっと勝ち越し決定。まったくひやひやさせてくれるよこ
の人は。
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