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偽文士日碌

十月八日(火):697-698

 アメリカ議会が空回りして、えらいことになっている。オバマ大統
領は暇らしく、ホワイトハウスの近くのスーパーへ昼食のサンドイッ
チを買いに行き、レジで一緒に並んでいる客に共和党の悪口を言って
いる。あはははははは。面白い。面白がっている事態ではないが。
「科学探偵帆村」と「ペニスに命中」をほぼ同時に脱稿したので、そ
れぞれ「群像」嶋田君、「新潮」矢野君にレターパックで送る。
 今日は六時に新潮社の楠瀬啓之が迎えに来てくれて、光子と、四時
から来ていた伸輔がタクシーに同乗、青山学院の向かいにあるラポル
ト青山の三階「カシータ」へ。三階全部が店になっていて広い。ほど
なく中瀬ゆかり部長と矢野優が到着。それぞれ注文したワイン、バー
ボンを飲みながらいろいろと話す。「ペニスに命中」は「新潮」一月
号に発表と決定。主な料理は秋鮭のスモークと生麺タイプのリングイ
ーネ、特大帆立貝のポワレとモンサンミッシェル産ムール貝のズベッ
タ、特選豚のペルシェード、アジア風おかゆなど。デザートは屋上の
テラスに移ってバニラアイス。「聖痕」の表紙でデザインされた行灯
に驚く。オーナーが父親の代からのファンとやらで、伸輔と共にサイ
ンさせられる。そのあとまたタクシーで全員わが家に移動。シャンパ
ンで乾杯し、ワイン、バーボンを飲み、カラスミ、数の子、生ハムな
どでもてなす。二時半まで飲み続けたようだが、「エノケンの千万長
者」を見たあとは記憶がない。ずいぶん酔っていたそうである。
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