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偽文士日碌

一月十六日(水):1169-1170

 天地総子が死んで吃驚。最後に逢った時まで美しかったなあ。一緒
に「青い部屋」へ行って戸川昌子に逢ったのが何年前だったか。まる
で昨日のようだ。戸川昌子も死に、仲が良かった同年輩の女性で生き
残っているのは瀬戸内寂聴と田辺聖子のみ。
 市原悦子が逝去。反戦の会に出演した時、廊下の椅子でだいぶ長い
間話し込んだなあ。そして梅原猛も逝去。ペンクラブの京都での園遊
会で立ち話。ニュースでは猿之助歌舞伎の台本を書いたことを言わな
かったぞ。御嶽海、稀勢の里に圧勝。はて。喜ぶべきか。その稀勢の
里、一昨日は逸ノ城に負けたが、おれにとっては御嶽海が鶴竜に勝っ
て二横綱に連勝した方が大事件。昨日はこれまた豪栄道をすくい投げ
で勝って、一方で稀勢の里は三連敗。どうなっておるのだ。
 わあ。横田順弥死去。たまらんな。次は誰が死ぬんだ。ひやー稀勢
の里引退! そして御嶽海は貴景勝に勝って四勝。世代交替って時は
こういう騒ぎになるんだなあ。 
 それにしても、この二、三日みんなよく死ぬなあ。晩年の森繁久彌
が「わしをほっといて皆が死んでいく」と言っていたらしいが、おれ
なんかとうにその心境だ。
 スペイン語版「家族八景」が出た。いつものことながらスペイン語
とくれば、中南米の人たちに読んでもらえると思って実に嬉しい。
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