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偽文士日碌

一月二十一日(木):1315-1316

 コロナの影響があちこちに出ている。いちばん被害を蒙るのはわれ
われ老人だというが、感染しても軽症か無症状だという若者たちがマ
スコミのマイクに向かって「感染したらしたで平気かな」などと言っ
て出歩いている。こっちは三日に一度だけ、一時間足らずの買物に出
るのさえびくびくものなのである。困るのである。
 伸輔の画集が求龍堂から出る。初めての画集だ。ミヅマアートギャ
ラリーの全面協力で、生前伸輔自らが収録する作品を選んだらしい。
朝日新聞連載の「聖痕」に描いた蜜蝋画二百三十八点もすべて収録さ
れる。連載時と違ってすべてカラーだ。つまり「聖痕」の完全な形の
絵はこの画集でしか見られないことになる。ありがたいことだ。価格
は三千六百円プラス税である。
「川のほとり」の掲載されている今月号の「新潮」がどこにもないと
いうので困っている人が多いようだ。ホリプロのわがジャーマネ柳井
が、手に入らないというので泣きついてきた。ツイッターを見ても好
意的な反応が多いと矢野優が教えてくれた。フォロワー数の増加はそ
のせいか。「新潮」販売数の実績は、やはりわが作品のせいであった
のだ。
「本質」というタイトルで十枚ほどの変な掌編を書いた。光子に話し
た時に笑い転げていたが、今日読ませたらまた笑い転げた。相当高度
なユーモアなのだが。
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