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偽文士日碌


 第二部の最初はなんと横浜ベイスターズの応援歌を山下さんがビッ
グバンド用にアレンジした「ベイスターズ・ジャンプ」。ハマスタで
勝つと鳴り響く曲だが今年はその機会が少なく、ベイスターズファン
の山下氏が強権発動で演奏したらしい。しかし解説では山下氏そんな
ことは言わず「わかる人だけわかってください」と言っただけ。それ
でも場内は笑いと拍手に包まれた。
 二曲目が、一橋大学のイベント用に山下氏が作った「ファースト・
ブリッジ」。この初演ではおれも参加したらしいのだが、すっかり忘
れていた。そして最後がいよいよもうひとつのお待ちかね「ラプソデ
ィ・イン・ブルー」である。山下氏がピアノソロで演奏していた曲だ
が、「やっとジャズの仲間とこの曲をやれます」という解説の喜びが
こちらにまで伝わってきて嬉しくなる。最初のクラリネットのカデン
ツァからきちんとやってくれてもっと嬉しくなる。ビッグバンドの演
奏でこの曲をやるとたいてい情緒纏綿とし過ぎて厭味だが、これは素
晴らしかった。アンコール曲はエリントン「スイングがなければ意味
がない」。
 次の楽しみはオペラシティのニューイヤー・コンサートである。山
下さん、おれの長篇をテーマにした「交響詩・ダンシング・ヴァニテ
ィ」をやるというのだが、原作を読んでいない人にもわかるのだろう
か。おれが無理を言って、コロス役にXUXUという女性四人のコー
ラス・グループを加えてもらったから、これはきっと愉しいぞ。 
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