トップへ戻る

偽文士日碌

八月五日(火):33-34

が、息子たちには別の考えがあるのだろう。
 夜は全員で、歩いて三分の、近くのイタリア・レストランへ行く。
「テアトロ・クチーナ」と言って、北イタリアを中心に五年間修業し
てきた村上孝之さんがオーナー・シェフ。修業時代に知りあった奥さ
んの涼子さんと二人だけでやっている。まずフランチャコルタ・キュ
ヴェ・プレステージを奮発して乾杯。明石タコとキタアカリイモの温
製カラスミ添え、鱚のフリットお米のサラダ、これが前菜。パスタは
淡路産由良ウニの冷製カッペリーニと、アワビのスパゲッティ。メイ
ンは今日捕れたばかりの鯛を一匹丸ごとのロースト。食材は垂水や明
石の漁港で仕入れ、近隣の農村から送ってくるものばかりだから、新
鮮だ。最後はセサミのジェラートで仕上げ。このお店に興味のあるか
たは「テアクチ通信」またはホームページをご覧になるとよろしい。
 こちらに帰ってくると、食べものが旨くて安い。この間は捕れたば
かりの生きている鯛を光子が六百円で買ってきた。東京ならば数千円
するだろう。塩焼きにしたが、信じられぬ旨さで、とうとう頭まで全
部食べてしまった。
 明日は朝早くから三津寺さんが来るので、早いめに寝なければなら
ない。読経のあいだ、恒司はおとなしくしていられるだろうか。わが
家の菩提寺の三津寺さんは大阪の心斎橋・三津寺筋にある。遠くから
ご苦労様なことだ。
ページ番号: 33 34

「次のページへ」や、「前のページへ」をクリックすると、ページがめくれます。