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偽文士日碌

十二月十日(水):105-106

し、プログラムに話の推移を書いてもらえることになった。
 このあと、彼女たちは最近ドイツで歌ってきたというベートーベン
「運命」、オリジナル曲の「新しい命から」を本格的に歌ってくれた
が、天井の高い木造家屋の中で彼女たちの歌声は響きわたり、聴いて
いた光子もうっとりである。 
 全員を引き連れ、例のGYREの四階の「SMOKE」というバー
&グリルへ行く。表参道を見晴らせる、ゆったりとしたソファの、落
ちつける店だ。山下氏の選んだシャンパンで乾杯し、やはり山下氏の
選んだワインを飲み、おれの置いているライ・ウイスキーを振舞う。
鴨のスモークなどのオードブルを食べ、コック長に頼んでそれぞれの
好みのスパゲッティを作ってもらい、ステーキで仕上げ(女性四人は
百グラム、おれと山下氏は五十グラム)、最後はデザートということ
になる。本来は酒を飲む店だから料理の出来は遅いのだが、そんなこ
とにも気づかぬほど話が弾み、気がつくと十一時になってしまってい
た。
 コンサートの詳細を書いておくと、正式名称は「茂木大輔PLAY
Sヤマシタ・ワールド」。これは山下洋輔プロデュース第一弾で、ご
存知オーボエの茂木大輔が山下洋輔の世界を指揮・演奏するスペシャ
ル・コンサートである。ほかの出演は植松透(perc)、平野公崇
(sax)、赤塚謙一(tp)、XUXU(cho)、東京フィルハ
ーモニー交響楽団。一月二十日は十九時開演。チケットは好評発売中
だという。
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