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偽文士日碌

十一月十一日(金):513-514

クを受ける。金曜日なのでポルカの流れる園内はがらがら、おれたち
しか乗っていない汽車で広大な敷地内を一巡。入れ違いに二十人ほど
の老人の団体が乗り込んだ。ここの売店では女ふたりがソーセージや
ドイツビールなど、みやげを買い込む。
 九十号線と四十六号線でまた兵庫県に戻り、赤穂へ到着。赤穂は以
前ジャズ忠臣蔵の公演で来て以来である。海岸にある「銀波荘」に入
る。着いてさっそく、去年オープンしたという海遊大浴苑の「岩海の
湯」で、小豆島を眺めながら温泉に浸る。夕食は新さん夫婦の部屋で
六時から。例によっておれは芋焼酎、新さんビール、光子ワイン。料
理は名物鯛の塩釜焼会席。光子と喜美子さんが槌で塩釜を叩き割る。
塩焼きと違って柔らかく絶品。おれは最後にこれで鯛茶漬けをした。
他に朝取れ播磨灘の鯛や打ち鮪山掛けなどの刺身、但馬牛のしゃぶし
ゃぶ、瀬戸内縞目烏賊、この旅館オリジナルの、ふかひれや白きくら
げや枸杞の実など十一種が入った薬膳蒸し、渡り蟹など。
 部屋に戻り、夫婦でマッサージにかかる。光子は男性、おれはその
男性が「先生」と呼んでいる若い女性のマッサージ師。あまりよい気
持ちでうとうとしてしまう。喜美子さんはスパへ行ったらしい。マッ
サージが終る頃、新さん夫婦がやってきて、例によっての酒宴。新さ
んは義士なんとかという日本酒を飲み、おれはビール。四人、馬鹿な
ことばかり話して笑い転げる。新さんは面白い。
 十二時に寝床に入ったものの、食べ過ぎたためか二時ごろまで、な
かなか眠れず。
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