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偽文士日碌

十二月十日(水):103-104

 夕方、山下洋輔が、コーラス・グループXUXUの、yuki、y
umi、asuka、norikoの四人をつれてきた。山下氏は来
年一月二十日(火)の東京オペラシティにおける恒例のニューイヤー
・コンサートで、おれの長篇をテーマにした「交響詩・ダンシング・
ヴァニティ」をやってくれるのだが、彼女たちはおれの要請で、その
中に出てくる歌を歌ってくれるのである。山下氏と挾間美帆との共作
で、曲はすでにできている。山下氏が電子ピアノを弾き、四人は曲を
順番に歌ってくれる。実に贅沢なライブである。
 まず最初の曲は、原作ではコロスの歌う「イッツ・ビーン・ア・ロ
ング・ロング・タイム」で、これはXUXU本来のアカペラである。
ただし今回はマイクを使うらしい。そのあとは原作通りの順でコロス
の歌う「私の心はヴァイオリン」、ソフトブリーズの歌う「ミスター
・サンドマン」をそれぞれアカペラで、そしていよいよ山下・挟間作
曲の「ダンシング・アウル」つまりあの「キトクロ・キトクロ」だ。
これは後半オケが入ってずいぶんと盛りあがるらしい。
 さらに物語は進んで山下・挟間作曲・中国映画「虎の出る村」の主
題曲、孫娘に歌ってやる出鱈目の歌、そしてラストの「グッドナイト
・スイートハート」である。いずれも歌詞はXUXU語であり、素晴
らしい。おれがいくつか注文をつけ、今後の練習に役立ててもらうこ
とになる。原作を読んでいない人にもわかるように、山下氏が解説を
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