トップへ戻る

偽文士日碌

十二月十九日(金):111-112

 朝食は例によって鮭、ベーコン、しらすの大根おろし和え、卵かけ
ご飯。
 パソコンに入力した原稿類をメールで東京の自分に送る。電気ガス
戸締りなど点検して上京の準備。
 午後二時、みなとタクシーの岩井君が迎えに来てくれる。いつも上
京は夫婦二人なのだが、今日はひとり。新幹線はいつも通りN700
に乗るが、今日の自動販売機、たいてい喫煙ルームの近くを注文すれ
ば十号車の乗車券をくれるのに、なぜか八号車。おかしいなと思って
いたら喫煙ルームは七号車にあった。N700に二種類あるのか、新
型なのか。十号車の灰皿は三つだが、こちらの灰皿は四つ。それにし
ても喫煙ルームに入って煙草も喫わず、携帯電話でえんえんと仕事の
ことで口論する女性キャリアには困ったもんだ。
 車内では今朝の新聞などを読む。内定取消しで皆、困っている。企
業の社会的使命はできるだけたくさん儲けることと、できるだけたく
さん人を雇うことだ。会社存続のためとはいえ雇用を放棄したら金儲
けに意味はなくなる。この場合はやはり全員就職させ、仕事がなくて
一日手持ち無沙汰になる苦痛を体験させて、彼らの自発的退職を待つ
べきであろう。もしかすると彼らの苦痛が何らかの新たな仕事を見出
させることになるかもしれない。
 原宿の家に着き、さっそく例のGYREの四階、今日はビストロの
ページ番号: 111 112

「次のページへ」や、「前のページへ」をクリックすると、ページがめくれます。