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偽文士日碌

八月十七日(日):781-782

 昨日は夫婦で四時からキャピトル東急へ。ヒルトン時代はよく泊っ
ていたのだが、新宿にヒルトンが移り、東京に家ができてからはまっ
たく行っていず、何十年ぶりになることか。九階建てだったのが二十
九階建てになっていて、池もなくなり、すっかり変ってしまった。S
Pがやたらに多く、中国人は泊めないのだとか。部屋に案内してくれ
た前の建物の時代からのマネージャーに聞くと、オリンピックに備え
てまた改築をするらしい。十八階の喫煙階、どん詰りの、二方を見渡
せる部屋に案内される。日枝神社が真下に見える。ほどなく伸輔一家
が到着。家族五人で二階の「星ヶ岡」へ。この中華レストランも昔は
よく来たものだ。燕の巣と鱶鰭を食べたことがないという恒至のため
に燕の巣のスープと鱶鰭拉麺を注文する。あとは光子と恒至がお好み
の水母の冷菜他、北京ダック、豚と椎茸の辛い煮込み、鶏の揚物、餃
子、海老の炒飯、焼そばなど。ビールと紹興酒で一族繁栄を祝って乾
杯。恒至は驚くほどたくさん食べるようになった。
 部屋に戻り、七時半からは神宮の花火大会を窓から眺める。わが一
族の一日だけのお盆休みである。恒至の塾の宿題が山ほどあるのでし
かたがない。八時半に花火は終り、皆でシャンパンを飲む。例によっ
て恒至とふざけあう。恒至は言葉遊びのギャグが好きなようである。
えらく蠱惑的な美貌になってきたから心配でもある。九時半、伸輔一
家は原宿のわが家へ泊りに行く。恒至が朝早くから起きて宿題をやる
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