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偽文士日碌

十月十日(月):989-990

 土曜日の午後三時前、裕君が車で迎えに来てくれて、光子と同乗、
名神高速で京都へ。京都ホテルをチェックインのあと、寺町の岡本家
へ。カナダ旅行から帰って来たばかりの喜美子さんは元気である。仏
壇で新さんの笑顔の遺影と対面。拝む。四人で柳馬場押小路上ルにあ
る洋食「おがた」へ。カウンターの奥のテーブル席である。篤、敬子
夫婦もやってくる。それぞれ好みの飲物で乾杯。おれはハイボール。
本マグロをレアに揚げたもの、一口カツ、ローストビーフ、尾崎牛を
とろとろに煮込んだビーフシチュー、ジャンボ海老フライなど美味。
店を出て、他の皆は京都ホテルまで歩いたが、おれのみ、篤君の二人
乗りのアウディR8というものすごい車に乗せてもらった。東京でも
見たことがない車だ。
 翌朝はホテルの和朝食を食べ終えてから裕君の車で喜美子さんを迎
えに行き、左京区の高野にある臨済宗の瑞寶山無礙光院へ行く。新さ
んの三回忌なのである。篤君一家が、今日はベンツのジープでやって
きた。院主の講話のあと般若心経などを唱えさせられて焼香。中三の
岳洋君が腹痛を起してちょっと心配する。英検を終えた中一の悠平君
が遅れて到着。二台は前後して丸太町通を北上、嵯峨にある岡本家の
墓に着く。立派な墓だった。新さんを偲んで瞑目。弟よ。
 沓掛から京都縦貫道に入り、亀岡インターを出て湯の花温泉の松園
荘保津川亭に着く。おれたち夫婦の部屋には露天風呂がついている。
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