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偽文士日碌

一月二十三日(火):1093-1094

 アンドリュー・ドライバー夫人の元子さんからメールで訃報。アン
ドリューの死は黒田藩プレスのツイッターを紹介する文章で知ったの
だが、なかなか信じられず、関係先に質すこともしていなかったのだ
が、やっと事実を詳細に知ることができた。昨年の十二月二十九日に
亡くなったのだという。六十三歳という若さだった。元気に年賀状を
出しに行く途中で倒れた。サッカーによる度重なる怪我で肺血栓塞栓
症になっていたのだ。かけがえのない翻訳者を失ってしまった。一昨
年の暮に逢った時は元気だったのだが、実に残念である。元子さんに
よれば「新しい『Bullseye!』のレヴューが四つほど出たの
ですが、アンドリューはそれを見る事ができませんでした。とても良
いレビューだったので残念です」とのことであった。この歳になって
海外への最良の紹介者を失ってしまった。彼の代りはもう出てこない
だろうなあ。
 西部邁入水自殺の報に驚く。「朝まで生テレビ」に出演した時はお
れの断筆を支持してくれたのだった。あの時彼は「誰だって差別して
いるし、わしだって差別主義者だ」と言ってくれたのだ。おれより二
歳年下だった。
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