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偽文士日碌

四月十二日(日):1267-1268

 大林宣彦死去。四十数年もの長いつきあいだった。
 昨日、伸輔が死んで四十九日。画廊へ行っても、学校への道も、商
店街を歩いても、家の中も、どこを探してももう伸輔はいない。寂し
くてたまらない。実につらい。
 二時に夫婦でリムジンに乗り、出発。車は少なく、大阪に着いても
松屋町、千日前、ほとんど人通りがない。墓地に着く。三時、智子と
恒至が到着。花を供え、墓の掃除。三時半、仮の社務所に入り、光子
が持ってきた塗りの位牌、智子が持ってきたお骨と写真と白木の位牌
を飾る。住職が読経の前に、現在伸輔は薬師如来のところにいて、修
行中の身であることを教えてくれ、満中陰。四時半、お墓に移動し石
屋さんによって納骨され、光子が書いてきた般若心経も墓に入れる。
住職の読経が終り、五時。待っていてくれた安威君のリムジンに家族
四人が乗って帝国ホテルへ行き、チェックイン。一ヶ月前も人が少な
かったが、今回はもっと少なく、ほとんど誰もいず、これが帝国ホテ
ルかと思う。本来はなだ万を予約していたのだが、自粛とやらで休み
となり、カフェ・クベールでの洋食となる。恒至はその方がよかった
ようだ。メニューの品数も少なく、全員和牛のグリル。光子と智子は
ふたりで赤ワインを一本取り、おれはワイルド・ターキーのソーダ割
りをダブルで三杯。続き部屋に戻り、おれはさらにジャック・ダニエ
ルのミニボトルやらビールなどを飲みまくり、目をまわして就寝。
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