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偽文士日碌

二月二十一日(日):281-282

 昨日は横尾忠則も来ていたと光子に聞かされる。藤原智美も来てい
たようだ。書籍も完売したとやらで、急ぎ追加の本に署名落款する。
 今日は楽日で五時開演。またしても上山君の車で夫婦はホールへ。
開演前に神津善行・中村メイコ夫妻が楽屋に。昨日山下氏が思い出し
てご招待したという。メイコさんと、昔23時ショーでおれと天地総
子が司会をしている時、美空ひばりと共に出演してくださった話など
する。四十年も昔だ。
 舞台は無事終了。カーテンコールで上山君が白石冬美さんを舞台に
呼び上げたあと、突然おれの役者卒業を祝って客全員を立たせ、山下
氏にピアノ伴奏させて「蛍の光」を歌わせたのには吃驚。最後は挨拶
させられたが、前以て教えといてくれたらもっとましなことが喋れた
のに。尚、野際館長は前回と同じく、やはり泣いてしまったと、あと
で教えてくれた。
 楽屋に来られた本日の来賓。最相葉月さん、モブ・ノリオさん、大
岡玲さん。そして弟正隆の遺児四人が孫まで連れ、大挙してやってき
たのに驚く。書籍は開演前に完売してしまったそうだ。
 下北沢へ移動し、前回と同じ店で打上げ。朝倉摂さんの前の席だっ
たので、いろいろとお話する。一週間ぶりに焼酎をたくさん飲む。帰
途、上山君が自宅まで送ってくれたが、車の中にコートを忘れてしま
った。やはりだいぶ酔っていたのだろう。
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