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偽文士日碌

十一月十一日(木):391-392

さんの息子の篤君一家がやってくる。篤君も歯科医であり、ここから
車で三十分ほどの湖畔の守山というところでで奥さんの敬子さんと一
緒に歯科医院をやっている。おれの受賞を祝って挨拶に来たのだと言
う。家族は敬子さんと小学三年の岳洋君と小学一年の悠平君の四人。
小さな兄弟は双子のようにそっくりである。おれたちのデザートを子
供たちが食べ、そのあと全員、ラウンジへ移動、女性たちは珈琲、子
供たちはまたケーキを食べ、おれはウイスキーのロック、新さんはず
っとビール。
 一服しようとして喫煙室へ行くと和服姿の美しい若い女将がついて
きて、何やかやと談笑する。さすがに現代っ子で、おれのことはブロ
グやツィッターを見て知っているらしい。書き込みをするとか言って
いたから、そのうちツイッターにあらわれるだろう。この女将は三代
目で、この温泉を見つけ、旅館を建てたのがお祖母さんだと言う。
 さらに全員がおれの部屋に移動。夜は対岸に点点と灯が点って実に
美しい。みんなが交代で風呂に入る。光子と喜美子さんは海を見渡せ
る露天風呂に行ってきたらしいが、いつ行ったのか憶えていない。子
供たちが隣の座敷で寝てしまったので、少ししてから篤君一家は帰っ
ていき、新さんたちも自室に戻る。おれはマッサージにかかる。初老
の男性がやってきて揉んでくれたが、実に上手だった。深夜、もう一
度風呂に入る。
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