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偽文士日碌

五月二十八日(土):467-468

残してしまった。中国人や韓国人の観光客が多く、新さんはお隣りの
中国人旅行客にお得意の中国語で話しかけ大喜びされている。
 由布院駅で一時間ほど待ち、今度はゆふ四号で博多へ。博多の宿は
以前、出来たばかりの時に一度来て宿泊したイル・パラッツォという
ホテルである。イタリア人建築家による優れたデザインのホテルであ
り、世界の優れたホテルに選ばれてもいる。日本で選ばれているのは
四、五軒だけである。中洲がすぐ近くであり、あちこち見てまわるの
に便利な宿だ。
 有名な稚加栄という料理屋へ行く。新さんが予約しておいてくれた
店である。広大な店内には何百席ものテーブルや、座敷があり、中央
の壮大な生け簀をカウンターが囲んでいる。他にも個室の座敷がある
というから驚きだ。水槽には多くの剣先イカとカタクチイワシが泳い
でいて、いつも毎朝食べているシラスはこの鰯の子供であり、お前ら
よく育ったなあと言いたくなる。昨日飲み過ぎたのでおれは新さんと
ビール。光子は日本酒。まずはイワシを食べ、イカの刺身を食べる。
明太子の盛合せは辛いからそんなに一度に食えるものではない。スッ
ポン鍋、鮑の姿煮、タコのてんぷら、特上にぎりなど。おれはどうし
ても明太子が食べたかったので、白飯を頼み、各種明太子で茶漬をす
る。そのあと隣にある同じ稚加栄の辛子明太子取り扱い店で明太子を
買い、ホテルに戻る。おれの部屋にワインを取り、また皆で飲む。
 大安であり、結婚式が多く、夜遅くまで客が廊下で騒いでなかなか
眠れなかった。
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