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偽文士日碌

三月十七日(土):549-550

 栗田明子の「海の向こうに本を届ける」が晶文社から出て、その出
版記念会があったので、雨の中、早いめに国際を呼んで家を出る。会
場は銀座四丁目にある教文館の九階、ウェンライトホールだ。会は二
時からだったが、次つぎと客が来る。黒井千次と話していると河野多
恵子が来る。「大活躍ね」と言われる。最相葉月なども来ていた。
 二時二十分、やっと開会。最初に指名されて驚き「いきなりか」と
言ったので皆が笑う。
「栗田明子さんと初めてお目にかかったのは、フランス政府のシュバ
リエ章を同時にいただいたパリの授章式でした。その時少しお話した
と思いますが、それからしばらくの間はおつきあいがありませんでし
た。その頃私の作品はフランスや中国、韓国などの国で何冊か翻訳さ
れていたのですが、みな出版社の担当者とか現地の翻訳家に任せてお
りまして、担当者が不熱心なこともありますが、何よりも外国から送
られてくる書類に返事を出さなければならない面倒臭さで、ほったら
かしにしていました。当然、印税もあまり入ってこない。そんな時た
またま栗田さんから、著作権輸出センター(JFC)に任せたらどう
かというお話があり、渡りに船とばかりすべて栗田さんのJFCにお
任せしました。するとそれを境にして、次つぎと各国での翻訳が相次
ぎ、今では十カ国以上、本はもう何十冊出たか数え切れないくらいに
出版されています。そこに並んでいるのは一部に過ぎませんが、中に
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