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偽文士日碌

十一月二十九日(木):597-598

の二階に落ちつく。ここはごく少量の珍しい料理がたくさん食べられ
るので嬉しい。注文したのは京都宇治鴨のもも肉のコンフィ、砂肝と
万願寺の黒胡椒ソース、イベリコ豚のタンと豚のトロのトマトコンフ
ィ、最高級仔牛リードヴォーのニンニクソース、オマール海老のオラ
ンデーズ・ソース、いろいろホルモンのトマト煮込み、女たちはココ
ットスフレロマージュなどというものを食べていた。例によって妻は
ワイン、新さんもワインを飲んでいた。おれはアルマニャックのハイ
ボールなどという珍しいものがあったので、何杯もお代りをする。す
ぐ下を見おろすと河原で鷺などの水鳥二種がやってきてポースをとっ
ていた。歓迎してくれているのである。
 タクシーで新さん宅へ。さらにビールや焼酎などを戴いていると、
次男の篤君が啓子夫人を伴ってやってきた。おれが来ているというの
でわざわざ野洲から来てくれたのだ。しばらく話してから、篤君たち
は帰る。おれたちは話しながらさらに飲む。新さんはワインをはじめ
何でも飲む。喜美子さんは家の中を綺麗に飾りつけているので光子は
しきりに感心する。
 この頃から、歩き過ぎたため左の足首が痛くなり、あわててロキソ
ニンを服み、新さんから貰ったロキソニンの湿布を貼る。しかし寝て
もなかなか痛みがおさまらず、明日からの旅を思い大丈夫かなと心配
し、明日の朝が早い出発なのでそれも心配し、光子も眠れないらしく
て、寝入ったのがとうとう二時になってしまった。
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