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偽文士日碌

十一月三十日(金):599-600

 七時半、光子に起され、新さんのベンツで夫婦ふた組は八時十五分
に出発。河原町丸太町を南下してすぐ左折。鴨川を渡り平安神宮の前
をまた南下。九条山を越え、山科。ここの京都東インターから名神高
速に入り、米原から北陸道を名古屋方面に向かう。いつも安全運転の
ハイヤーやタクシーばかりで、追い越されてばかりなのだが、今日は
すいすい追い越していくので気分がよろしい。四日市、彦根、関ヶ原
と通って一の宮から東海北陸道に入る。郡上八幡のICを出て古い街
並みの市街地を少しうろうろする。まだ足は痛くてあまり歩けない。
郡上おどりと山内一豊の妻千代の出身地として有名で、川や水路の水
が清く美しい。大和屋といううどん屋に入り、今が旬だという天然芋
のかけそば、かけうどんをそれぞれ食べる。
 また高速に戻って飛騨清見から中国縦貫道に入り、高山西ICでお
りて一般道に入る。41号線を南下、飛騨高山を過ぎ、下呂温泉湯之
島館に到着。でかい杉木立に囲まれた何とも威風堂堂たる昭和初期の
和洋折衷、木造三階建てである。われわれ夫婦が案内されたのは昭和
天皇が泊られたという七重八重の間、本間三十一畳に控えの間までつ
いた純和室の豪勢な部屋だった。こんなに広い必要はないのだが、そ
れにしては宿泊料金が驚くべき安さだ。部屋は違うがここには今上天
皇と皇后陛下も泊られたという。
 さっそく部屋についている源泉かけ流しの檜風呂に入る。これが効
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