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偽文士日碌

二月十五日(土):739-740

 昨日は雪が積りはじめた午後三時過ぎ、迎えのハイヤーが来て講談
社へ。正面玄関を見て昔のままだと思っていたらその横にでかいビル
が建っていて、駐車場はその地下だった。迎えに出た須田美音によれ
ば昔のビルの方は営業が使っているという。エレベーターで二十六階の
会議室へ。エレベーターホールで中条省平に逢い、初対面の挨拶。向
かいの会議室では「群像」の鼎談書評をやっていて、稲葉真弓が挨拶
に来た。なぜか行き違いがあり、おれが出たあとのわが家へ「群像」
編集長の佐藤とし子と原田博志が迎えに行ったという。須田さんから
はおれと中条氏にヴァレンタインデーのチョコレートが渡される。対
談を始めようかとしているところへ佐藤さんと原田氏がとんぼ帰りで
到着。写真撮影をやってから対談に移る。「創作の極意と掟」をテー
マにした「群像」四月号に載る対談である。中条氏には以前鼎談書評
で「不在」をやってもらった時の礼を言う。彼がいなければどうしよ
うもなかった筈の鼎談だ。おれのことを知り尽している人だから、二
時間の対談も面白く愉しく進む。終了後、ゲラ直しの打合せの際、八
ページくらいになるのかと佐藤さんに聞くと、十ページの予定だった
けどあまり面白かったから十四ページになるかもしれないと言う。
 雪が積る前に帰らねばならない。エレベーターホールでは鼎談の終
った書評の連中にまた逢う。芥川賞を取ったばかりの藤野可織にも
逢う。彼らはこれから食事だというが、帰れるのかと心配する。さっ
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