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偽文士日碌

三月五日(木):859-860

 昨日のビーバップは、ひとつ目のテーマが「記念館」、ふたつ目が
「写真」だったのだが、ふたつ目の前に十周年記念の祝いがあった。
全員中央に立たされ、真上のくす玉が割れる。あれから十年。全員が
あの頃より偉くなったという最初の頃の思い出話。おれも「あの時は
古希だった。古来稀なりという七十歳だったが、今は八十歳」などと
喋る。記念の赤ワインを戴く。
 帰ってからジェイソン・ステイサムの映画を見る。前の夜にも彼の
映画を見てふた晩続けてステイサム。「トランスポーター」以来の、
最近のおれの一番のお気に入り男優なのである。
 冲方丁「光圀伝」が文庫になるのでその解説を書かされることにな
り、何しろおれが推して山田風太郎賞にした作品だから書かぬわけに
はいかず、引き受けてしまったのだが、三年前に読んだ作品なので忘
れてしまっている。長大な作品だから一ヶ月前から少しずつ読み返し
て本日やっと読了。早速今日から解説を書きはじめる。
 ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」は、親の本を中学時代に
読もうとして、難しくて挫折。同じ本で高校時代にも読もうとし、や
やこし過ぎてまた挫折。最近亀山郁夫のやさしい翻訳が文庫で出てい
るというので、伸輔に電話して取り寄せてもらう。第一巻を読むとな
るほど読みやすい。前から気になっていたのが作家たちの間でよく話
題にされる大審問官のくだりである。今度はそこまで読めるかな。
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