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偽文士日碌

十一月二十二日(日):913-914

テルリッジへ到着。六時半の予定が七時になってしまった。このホテ
ルは二十二万坪の敷地に客室だのレストランだのを点在させた豪勢な
ホテルであり、おれたち夫婦も調度備品の豪華な和洋折衷の部屋に案
内された。敷地が広いだけあって、部屋へ行くにもえんえんと歩かね
ばならない。カリフォルニア・テーブルというレストランへはリムジ
ンで案内される。
 おれは里娘という薩摩芋の焼酎を、最初はシングルで頼んだのだが
あまりに旨いので次からはダブルで飲む。皆それぞれ好みの酒や、中
二の岳洋君、小六の悠平君はジュースを飲む。飲めない篤君にもすだ
ちカクテルというものを飲ませる。光子と裕君は日本酒やカベルネエ
ステートなどを飲む。料理はまず白海老の白和え、河豚皮のゼリー、
蟹と明太子の砧巻き、鯛と赤飯の握り、蟹真薯の汁物、刺身は河豚や
鳴門鯛など、炙り烏賊の酒盗焼き、阿波一貫牛の変り鉢、伊勢海老と
海老芋の炊合せ、茸と蓮根の釜炊き飯など、デザートは金時ポテトと
胡麻汁粉と杏仁豆腐の水菓子という珍味揃いである。レストランであ
りながら料理は和食、部屋は畳敷き、煙草も喫えるという結構ずくめ
である。食後はまたリムジンで送られ、全員がおれたちの部屋に集っ
て、飲み放題だという室内の冷蔵庫からシャンパンを出して飲みなが
ら歓談。敬子さんは息子たちをつれて別棟の自然温泉へ行ったが、息
子たちが戻ってきても敬子さんだけはいつものように一時間も浸って
戻ってきた。篤君は明日の朝五時半から、息子たちをつれて釣りに行
くと言う。おれたち夫婦は十二時に就寝。
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